うめAUDIO(仮称)


基板セット解説 UM-HPAMP003 (Rev1.00)


[2012/09/08 更新]

 

Tr電流帰還アンプ

 47mm×72mm基板サイズの小基板サブボードにDCサーボ付きのTr電流帰還アンプを実装したものです。
 入力信号のすぐあと100kΩでGNDに接続していたところは100pFに変更してローパスとします。シルク印刷上では抵抗表記になっていますので注意して下さい。

     

部品表
部品番号部品入手先備考
---UM-HPAMP003-41本基板 
R1,R24.7KΩ4ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記4.7KΩ
R3,R4750Ω4ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記750Ω
R5300Ω2ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記300Ω ※1
R6150Ω2ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記150Ω
R7,R810Ω 1W4ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記10Ω
R12(上)→R910Ω2ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記10Ω
部品番号重複していました
R112.2KΩ2ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記3.3KΩ ※2
R12(下)470Ω2ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記1KΩ ※2
R13,R14470KΩ4ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記100KΩ
大きい抵抗のほうが低域まで通過するので最大470KΩ〜1MΩ推奨
R1510KΩ2ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記10KΩ
R1647Ω2ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記100Ω 大きくする場合は終段トランジスタに放熱板が必要
C1,C20.1uF4ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記0.1uF フィルムコンデンサ推奨
C3,C41uF/16V 面実装4マルツ/千石/秋月シルク表記1uF チップフィルムまたはチップタンタル推奨
C8,C91uF4ビスパ/マルツ/千石/秋月秋月扱いの2.54ピッチ積層セラミックが便利
C100.047uF2ビスパ/マルツ/千石/秋月フィルムコンデンサ推奨 0.047uF〜1uF
C11100pF2ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記(R11)100KΩ フィルムコンデンサ推奨 0.047uF〜1uF
元々高抵抗をGNDに落とす設計だったが100pFの位相補償コンデンサに変更
(C12)2.2uF/16V2ビスパ/マルツ/千石/秋月省略可能 ※3
Q1,Q4,Q52SA1015Y-L など6ビスパ/マルツ/千石/秋月ECB配列のトランジスタ使用
Q2,Q3,Q62SC1815Y-L など6ビスパ/マルツ/千石/秋月ECB配列のトランジスタ使用
Q72SC3421Y など2ビスパ/マルツ/千石/秋月ECB配列の中電力用トランジスタ使用
Q82SA1358Y など2ビスパ/マルツ/千石/秋月ECB配列の中電力用トランジスタ使用
D1,D21N4007 など4ビスパ/マルツ/千石/秋月整流用やスイッチング用のダイオード各種
ServoOP07/OPA134PA2ビスパ/マルツ/千石/秋月出力オフセットが小さく出力電流がそこそことれるOPAMP推奨
---ピンフレーム 9P4秋月こちらの20Pタイプを切断。
出力信号側は2P-3P-2Pとなるよう足部両端をカット。 ※4
---ICソケット8P2マルツ/千石/秋月DCサーボ実装する場合ソケット式のほうが調整や確認が容易です
---ICソケット-マルツ/千石/秋月適宜抵抗やコンデンサの実装をソケット経由にして差し替え
補足
※1:トランジスタを選別することで調整が殆ど不要となりDCサーボのみでオフセットを吸収できる場合にはR5をVRとせず150Ωの固定抵抗に置き換えて問題ありません。VRを使用する場合は多回転のポテンショメータを使用します。
※2:R11およびR12(部番重複してしまっているので注意、1K表記の中央のほう)でゲインを設定します。(R11+R12)/R12 が基本ですが前段のhFEなどにより選択できるゲインには限界がありますので注意して下さい。ゲインを上げたい場合、R11を大きくするよりもR12を小さくするほうが電流帰還の作りとしては正解です。シルクに1KΩで表記してありましたが470Ωにしたほうが良好です。
※3:0.1uF〜最大47uFくらいまで入れる事がありますが使用するトランジスタの組み合わせなどにより発振するので大きくする場合は注意して下さい。筆者は前段C1815L/A1015L、後段C3421Y/A1358Yとの組み合わせで22uFで使用しています。
※4:ここのGNDは基板パターンの面積が広く熱が逃げやすいため、液体のフラックスをスルーホール内にもたっぷり塗ってから90W以上のハイパワーな半田ゴテで一気に熱して半田付けをする必要があります。難易度が高くなってしまってすみませんが頑張って付けて下さい。また、このピンフレームはきちんと垂直に付けないと小基板の着脱が非常に面倒になります。出力信号側は2P-3P-2Pとなるよう途中未使用ピンがありますが、未使用のところにはリード足の余りなどを刺しておいて小基板を逆向きに実装してしまわないような逆指し防止としておく事を勧めます。

・アンプ部に使用する抵抗は温度で変化しやすいカーボンは不利です。精度も欲しいので金属皮膜抵抗や巻き線抵抗が理想ということになります。回路内殆どが上下対称に作られていますので上下で使用する抵抗はペアマッチングを推奨します。0.5%くらいの誤差に収まると理想です。0.1%になるとかなり選別が大変です。

・ゲイン決定用のR11,R12、バイアス決定用のR16はソケットにしておくと調整がしやすいです。R16は多回転のポテンショメータを使用しても構いません。

・R5によるオフセットの調整はDC ServoのOPAMPを外した状態で行います。出力信号が0Vになるよう調整して下さい。回路が暖まってくると値がずれてきますので再度調整を行います。

・R16によるバイアス調整は終段のエミッタ抵抗に流れる電流を計測しながら調整します。10Ωなので抵抗両端の電圧を1/10にすることで電流量になります(E=IR オームの法則)。暖まると変化していくので何度か調整して下さい。際限なく増え続けるような場合放熱が不十分であったり熱暴走をしている状態なのでバイアスを小さくして下さい。

・R5のオフセット調整とR16によるバイアス調整はお互いに少しずつ影響し合いますのでそれぞれ何度か調整を追い込んでいって下さい。DMMが2台〜3台あると楽です。

・全ての調整が済んだ段階でDC ServoのOPAMPを実装します。きちんと効いていれば1mV以内に安定するはずです。5mV以上もあるような場合はOPAMP選定のミスやオフセットボリュームの調整不足などでサーボによる補正範囲外になってしまっている恐れがあります。

・オフセットが1V以上出るような場合は前段のトランジスタに半田不良などがある場合が殆どです。異常に熱くなっている石がないかチェックしたり触ってみてオフセット値が動くかどうかチェックしていきましょう。

 

FET電流帰還アンプ

 47mm×72mm基板サイズの小基板サブボードにDCサーボ付きのFET電流帰還アンプを実装したものです。
 入力信号のすぐあと100kΩでGNDに接続していたところは100pFに変更してローパスとします。シルク印刷上では抵抗表記になっていますので注意して下さい。

     

部品表
部品番号部品入手先備考
---UM-HPAMP003-51本基板 
R1,R2750Ω4ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記750Ω
R31KΩ2ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記300Ω ※1
R4470Ω2ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記470Ω
R5,R60.1Ω 1W〜2W4ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記0.1Ω
R1010Ω2ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記10Ω
R7470Ω2ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記2.2KΩ ※2
R8470Ω2ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記1KΩ ※2
R11,R12470KΩ4ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記100KΩ
大きい抵抗のほうが低域まで通過するので最大470KΩ〜1MΩ推奨
R1310KΩ2ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記10KΩ
R14500Ω VR2ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記100Ω 選別してもかなり左右でバラつくのでここはポテンショメータを使用したほうが良いです
C1,C20.1uF/16V 面実装4マルツ/千石/秋月シルク表記1uF チップフィルムまたはチップタンタル推奨
C3,C41uF/16V4マルツ/千石/秋月シルク表記1uF チップフィルムまたはチップタンタル推奨
C8,C91uF4ビスパ/マルツ/千石/秋月秋月扱いの2.54ピッチ積層セラミックが便利
C70.047uF2ビスパ/マルツ/千石/秋月フィルムコンデンサ推奨 0.047uF〜1uF
C11100pF2ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記(R14重複、入力側中央)100KΩ フィルムコンデンサ推奨 0.047uF〜1uF
元々高抵抗をGNDに落とす設計だったが100pFの位相補償コンデンサに変更
(C12)2.2uF/16V2ビスパ/マルツ/千石/秋月省略可能 ※3
Q12SK170GR2若松※入手困難です
Q22SJ74GR2若松※これが一番入手困難です
Q32SA1015Y-L など2ビスパ/マルツ/千石/秋月ECB配列のトランジスタ使用
Q42SC1815Y-L など2ビスパ/マルツ/千石/秋月ECB配列のトランジスタ使用
Q52SK213/2SK2142マルツ/共立/若松※入手困難です
Q62SJ76/2SJ772マルツ/共立/若松※入手困難です
D1,D21N4007 など4ビスパ/マルツ/千石/秋月整流用やスイッチング用のダイオード各種
ServoOP07/OPA134PA2ビスパ/マルツ/千石/秋月出力オフセットが小さく出力電流がそこそことれるOPAMP推奨
---ピンフレーム 9P4秋月こちらの20Pタイプを切断。
出力信号側は2P-3P-2Pとなるよう足部両端をカット。 ※4
---ICソケット8P2マルツ/千石/秋月DCサーボ実装する場合ソケット式のほうが調整や確認が容易です
---ICソケット-マルツ/千石/秋月適宜抵抗やコンデンサの実装をソケット経由にして差し替え
補足
※1:FETを選別することで調整が殆ど不要となりDCサーボのみでオフセットを吸収できる場合にはR3をVRとせず470Ωの固定抵抗に置き換えて問題ありません。VRを使用する場合は多回転のポテンショメータを使用します。
※2:R7およびR8でゲインを設定します。(R7+R8)/R8 が基本ですが前段のgmなどにより選択できるゲインには限界がありますので注意して下さい。ゲインを上げたい場合、R7を大きくするよりもR8を小さくするほうが電流帰還の作りとしては正解です。シルクに1KΩで表記してありましたが470Ωにしたほうが良好です。
※3:0.1uF〜最大47uFくらいまで入れる事がありますが使用するFETの組み合わせなどにより発振するので大きくする場合は注意して下さい。筆者は前段K170GR/J74GR、後段K214/J77との組み合わせで22uFで使用しています。
※4:ここのGNDは基板パターンの面積が広く熱が逃げやすいため、液体のフラックスをスルーホール内にもたっぷり塗ってから90W以上のハイパワーな半田ゴテで一気に熱して半田付けをする必要があります。難易度が高くなってしまってすみませんが頑張って付けて下さい。また、このピンフレームはきちんと垂直に付けないと小基板の着脱が非常に面倒になります。出力信号側は2P-3P-2Pとなるよう途中未使用ピンがありますが、未使用のところにはリード足の余りなどを刺しておいて小基板を逆向きに実装してしまわないような逆指し防止としておく事を勧めます。

・アンプ部に使用する抵抗は温度で変化しやすいカーボンは不利です。精度も欲しいので金属皮膜抵抗や巻き線抵抗が理想ということになります。回路内殆どが上下対称に作られていますので上下で使用する抵抗はペアマッチングを推奨します。0.5%くらいの誤差に収まると理想です。0.1%になるとかなり選別が大変です。

・ゲイン決定用のR11,R12、バイアス決定用のR16はソケットにしておくと調整がしやすいです。R16は多回転のポテンショメータを使用しても構いません。

・R5によるオフセットの調整はDC ServoのOPAMPを外した状態で行います。出力信号が0Vになるよう調整して下さい。回路が暖まってくると値がずれてきますので再度調整を行います。

R14によるバイアス調整は終段のソース抵抗に流れる電流を計測しながら調整します。0.1Ωなので抵抗両端の電圧を10倍にすることで電流量になります(E=IR オームの法則)。暖まると変化していくので何度か調整して下さい。際限なく増え続けるような場合放熱が不十分であったり熱暴走をしている状態なのでバイアスを小さくして下さい。

R3のオフセット調整とR14によるバイアス調整はお互いに少しずつ影響し合いますのでそれぞれ何度か調整を追い込んでいって下さい。DMMが2台〜3台あると楽です。

・全ての調整が済んだ段階でDC ServoのOPAMPを実装します。きちんと効いていれば1mV以内に安定するはずです。5mV以上もあるような場合はOPAMP選定のミスやオフセットボリュームの調整不足などでサーボによる補正範囲外になってしまっている恐れがあります。

・オフセットが1V以上出るような場合は前段のJFETもしくはドライバ段のトランジスタに半田不良などがある場合が殆どです。異常に熱くなっている石がないかチェックしたり触ってみてオフセット値が動くかどうかチェックしていきましょう。

・写真の製作例ではR8に1KΩをつけたあと裏面にも1KΩを並列に半田付けして500Ω相当に調整しています。

この基板UM-HPAMP003-5は、JFETが既に入手困難であることとMOS-FETも廃盤になっている事から、次のリビジョンからは撤廃になる予定です

 

6X MSCアンプ

 47mm×72mm基板サイズの小基板サブボードに非反転OPAMPを各ch6回路並列にしたアンプを実装したものです。

   
   

部品表
部品番号部品入手先備考
---UM-HPAMP003-71本基板 
R1,R6150Ω12ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記100Ω
R2,R720KΩ12ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記10KΩ
R3,R81KΩ12ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記1KΩ ※1
R4,R910KΩ12ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記10KΩ ※1
R5,R1010KΩ12ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記10KΩ
---10Ω2ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記10Ω
---0.1uF8ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記0.1uF フィルムコンデンサ推奨
2.54mmピッチずつしか無いので表面と裏面で互い違いに実装するなど工夫が必要
秋月扱いの積層フィルムコンデンサが丁度ソケットの間に入る
---47pF12ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記47pF(裏面) 2012サイズのフィルムコンデンサ推奨 ※2
---(0.1uF)2ビスパ/マルツ/千石/秋月省略可 シルク表記0.1uF(裏面上部) チップフィルムまたはチップタンタル推奨
---(1uF/16V)2ビスパ/マルツ/千石/秋月省略可 シルク表記電解マークのみ(裏面下部) チップフィルムまたはチップタンタル推奨
---0.1uF2ビスパ/マルツ/千石/秋月シルク表記0.1uF(中央上部) フィルムコンデンサ推奨
DUAL
OPAMP
適宜6ビスパ/マルツ/千石/秋月2回路入りOPAMPならだいたい何でも
耐圧だけは注意して下さい
---ピンフレーム 9P4秋月こちらの20Pタイプを切断。
出力信号側は2P-3P-2Pとなるよう足部両端をカット。 ※3
---ICソケット8P6ビスパ/マルツ/千石/秋月OPAMPを差し換える予定が無い場合は直接半田でも良い
---ICソケット-マルツ/千石/秋月適宜抵抗やコンデンサの実装をソケット経由にして差し替え
補足
※1:(R3+R4)/R3 がアンプ部のゲインになります。やや大きめにしておかないとアンプ小基板に入ってくる前の抵抗や後の抵抗などでトータルのゲインが小さくなります。筆者はゲイン11になるよう1Kと10Kを組み合わせることが多いですがこの基板では多数使うため在庫余剰気味な750と7.5Kにしてみました。
※2:位相補償のコンデンサになるため使用するOPAMPによって最適値が違います。おおよそ5pF〜100pFの範囲で調整。筆者は2012サイズのチップマイカ43pFを使用(既に入手困難)
※3:ここのGNDは基板パターンの面積が広く熱が逃げやすいため、液体のフラックスをスルーホール内にもたっぷり塗ってから90W以上のハイパワーな半田ゴテで一気に熱して半田付けをする必要があります。難易度が高くなってしまってすみませんが頑張って付けて下さい。また、このピンフレームはきちんと垂直に付けないと小基板の着脱が非常に面倒になります。出力信号側は2P-3P-2Pとなるよう途中未使用ピンがありますが、未使用のところにはリード足の余りなどを刺しておいて小基板を逆向きに実装してしまわないような逆指し防止としておく事を勧めます。

・アンプ部に使用する抵抗は温度で変化しやすいカーボンは不利です。精度も欲しいので金属皮膜抵抗や巻き線抵抗が理想ということになります。サイズ的に厳しいのでこの基板に関しては金属皮膜抵抗しか選択肢がない感じです。

・合成抵抗のR5,R10 47Ωは実装するOPAMPが違っても差違を吸収できる大きさの抵抗です。同種のOPAMPを6個使う場合は5Ωくらいにまで小さくできます。

・R2,R7はOPAMPの非反転入力に対して与えられる正バイアスのための抵抗です。6回路の並列になるため結果的に1/6の抵抗値になるので大きい値の抵抗にしてあります。1カ所だけ4.7KΩ程度のものを実装し、あとの5回路分では未実装にしても実質は同じです。綺麗に同じのを並べるほうが好きなのでこうしてありますが。

・OPAMPの異種混合は基本的に御法度ですが高域に強いものと低域に強いものを混ぜてみたりどちらを2個・4個にするかなど遊んでみるのは筆者としてはアリだと思っています。異常発振したり高温になってしまっていないか、異常なオフセットが出てしまっていないかなどはチェックが必要です。

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